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身近な放射線について

食品の保存

食品に放射線を照射して保存期間を高めようとする研究が世界各国で行われています。
照射した食品の安全性が心配されますが、研究されてきた中で人体への有意な悪影響は認められていません。
現在最も世界で認可されている食品がジャガイモで、放射線を照射することによって発芽を遅らせることで保存期間を高める処置がされています。

害虫駆除

害虫駆除といえば殺虫剤を使用して行うものが一般的です。しかし殺虫剤は人体や家畜にも影響があり、殺虫剤に抵抗性を持った害虫が現れるなどの問題があります。そこで害虫を人工的に繁殖させ、その害虫を放射線を用いて不妊化させて野に放ち、野生の害虫と交尾させ子の数を減らしていき駆除するという方法が考えられました。
日本では沖縄県の久米島、宮古群島、沖縄群島、八重山群島において外来種であるウリミバエが持ち込まれ大繁殖し農業関係者に打撃を受けたことがあります。この際に放射線を用いた不妊化による根絶が行われました。
現在でも不妊化したウリミバエを定期的に放ち未然に繁殖を防ぐ防虫が行われています。

品質改良

放射線を植物に照射し遺伝子に傷をつけることで品種改良がおこなわれています。

世間でよく聞く遺伝子組み換えはほかの植物の遺伝子を加えて品種改良するのに対し、放射線による品種改良は遺伝子に傷をつけて人為的に突然変異を起きやすくし品種改良を行います。
放射線による品種改良の代表例としてゴールド二十世紀ナシという梨があります。
この梨は二十世紀ナシという梨がもとになっており、高品質な梨でしたがナシ黒斑病という病気に悩まされていました。そこで放射線による品種改良によって黒斑病に強く品質も元の種と変わらない梨であるゴールド二十世紀ナシが誕生しました。

茨城県には放射線による品種改良、それに基づいた基礎研究などを行う国立の大規模な放射線育種所があります。

医療で活用される放射線

レントゲン検査

レントゲン検査では、X線という放射線を使用して体の内部の状態を撮影します。

X線は密度の低い物質を透過する性質があり、骨などの密度が高い部分は透過しません。この性質を利用して体の大まかな骨の形などを撮影し診断に使用します。
レントゲン撮影は簡単な検査であり、大まかな全体像の把握として健康診断などに利用され病気の早期発見に役立っています。

CT検査

レントゲン撮影と同じように、放射線の一つであるX線を使用します。

CT装置では360°からX線を照射することによって、人体の輪切り画像(断層画像)を作成します。CT検査では、レントゲン撮影より詳しく人体の内部の状態を知ることができます。また現在では断層画像だけではなく、立体的な三次元画像を作り出すこともできます。

PET検査

PET検査はがんや炎症の病巣などに対する検査方法です。

FDGと呼ばれる放射性フッ素を付加したブドウ糖を静脈から注射し、安静にして体内に取り込まれるまで待ちます。その後撮影を行いブドウ糖の分布から悪性・良性の識別を行います。
この検査はがんなどの悪性腫瘍が正常細胞よりも数倍のブドウ糖を消費することを利用した検査法で、一度に全身の撮影ができるため転移や再発の発見に有効です。

がん治療

正常細胞よりもがん細胞のほうが放射線の影響を強く受けることを利用した放射線がん治療があります。
放射線を局所的に放射しがん細胞を傷つけ処置するがん治療の手法です。

器具の滅菌

放射線を使用した器具の滅菌は包装したのちに行うことができる、残留物が残らないなどのメリットがありプラスチック製の使い捨て注射器などを中心に利用されています。

半導体加工

半導体集積回路とはパソコンやスマホ、家電など身の回りの電子機器に広く使用されている電子部品のことです。放射線は半導体を作るのに欠かせない手段であり、現在の暮らしの中に必要不可欠なものであると言えます。

工業製品においての厚さ測定

工業の分野においても放射線が活用されています。
物質に放射線を照射した際の透過度や吸収の変化を利用し、アルミホイル、紙、鉄板などといった厚みが一定でなければならない工業製品の厚さ測定に用いられています。

タイヤ加工、プラスチックなどの性質改良

私たちにとって身近な乗り物である自動車にも、放射線が使用されています。
ゴムタイヤに放射線を照射することによって分子の繋がりが強くなり弾性のある強いタイヤになります。
また同じように、プラスチックなどにも放射線を照射することで、品質の改良がおこなわれています。

非破壊検査

放射線透過試験(Radiographic Testing)という非破壊検査のうちの一つがあります。
非破壊検査とは、その名の通り試験体を破壊せずに状態を調べることができる検査のことです。

X線やガンマ線などの放射線が、物質を透過する性質と写真フィルムを感光させる性質を持つこと利用し、試験体に放射線を透過し内部の状態を撮影像としてフィルムに記録することで、試験体の内部きずの状態や内部構造を調査することができます。
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